こんにちは。BUZZCASTの吉田です。
みなさんは「インフルエンサー」と聞くとどのような人を思い浮かべますか?「YouTuber」や「インスタグラマー」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
ただ、最近は「YouTuber」や「インスタグラマー」に加えて、TikTokで活躍するインフルエンサー、いわゆる「TikToker」もかなり注目を集めています。
もともとYouTubeやInstagramで活躍していた人がTikTokを始めるケースもあれば、TikTokで有名になったインフルエンサーがYouTubeやInstagramでも活躍するというケースも増えてきているように感じます。
そこで今回は、TikTokで有名になった、いわゆる「TikToker」のYouTubeチャンネルに注目して、調査してみました。
■TikTok発YouTuberランキング
まずはTikTok上でどのようなクリエイターが人気なのか、TikTokアカウントのフォロワー数ランキングを作成してみました。
▼TikTokフォロワー数ランキング(TOP30)
※BUZZCAST調べ(2019/7/12集計)
この結果を見ると、100万以上のフォロワーを持つクリエイターも多く、TikTokの影響力を感じさせます。
また同時にYouTubeチャンネル開設の有無も調べてみたところ、30アカウント中22のアカウントがYouTubeチャンネルを開設していることが分かりました。
TikTokで活動するクリエイターの多くが、YouTubeでも活動しているようですね!
しかしランキング内には「TikToker」としてよりも、「YouTuber」として有名なクリエイターも多くみられます。
そこでYouTubeチャンネル開設以前からTikTokで活動しており、過去90日間でYouTubeに動画を投稿しているチャンネルに絞ることで、「TikToker」として有名になったクリエイターのYouTubeチャンネル(いわゆる「TikTok発YouTuber」)を割り出してみます。
▼TikToker発のYouTubeチャンネル/登録者数ランキング(TOP5)
順位 | TikToke名 | TikTokフォロワー数 | YouTube登録者数 | 過去90日間 平均再生数 |
1 | ねお | 1,485,000 | 620,159 | 259,046 |
2 | ♡ゆな♡たこ | 1,184,000 | 491,226 | 167,465 |
3 | Hinata | 2,758,000 | 442,847 | 265,256 |
4 | りかりこ | 1,133,000 | 267,844 | 61,389 |
5 | ひかりんちょ | 699,000 | 161,365 | 36,997 |
※BUZZCAST調べ(2019/7/12集計)
こちらがTikToker発のYouTubeチャンネル登録者数ランキングTOP5になります。
全クリエイター共通して、「TikToker」のフォロワー数ほどはまだYouTubeの登録者数が伸びていないということが分かります。
さらにTikTok発YouTuberの、YouTubeでの視聴者のアクティブ度が分かるように、YouTube動画の過去90日間の平均再生数の多い順にランキングを作ってみました。
▼TikToker発のYouTubeチャンネル/過去90日間平均再生数ランキング(TOP5)
順位 | TikToke名 | TikTokフォロワー数 | YouTube登録者数 | 過去90日間平均再生数 |
1 | Hinata | 2,758,000 | 442,847 | 265,256 |
2 | ねお | 1,485,000 | 620,159 | 259,046 |
3 | こたつ
《全力〇〇の人》 |
1,119,000 | 52,959 | 177,024 |
4 | ♡ゆな♡たこ | 1,184,000 | 491,226 | 167,465 |
5 | 渡辺リサ | 845,000 | 144,992 | 162,208 |
※BUZZCAST調べ(2019/7/12集計)
「Hinata」さん、「ねお」さん、「こたつ」さんがYouTubeでも非常に人気のクリエイターのようです。
それでは、これらのYouTubeチャンネルを簡単にご紹介させていただきます!
■人気TikToke発YouTuberのチャンネル紹介
▼再生数第一位:Hinata
TikTokフォロワー数:約276万
YouTubeチャンネル登録者数:約44万
平均再生数:約26万
※2019年7月12日時点
TikTokのフォロワー数と、YouTubeでの平均再生数で1位となっている大人気のクリエイターです。
YouTubeチャンネルでは、メイク・ファッション・商品紹介・TikTok特集など美容系YouTuberに近い動画コンテンツを展開しています。
人気の動画が、自己紹介やTikTok特集であることから、TikTokで生まれたファンがYouTubeも視聴していることが想定されます。
・自己紹介動画
Hinataさんは既にタイアップ案件もいくつか行っており、「おもちゃ」「ファッション」「アプリ紹介」と幅広くプロモーションを行なっております。
その中でも、「YouTube」「TikTok」の両方でタイアップ動画を行っているものがあったので紹介します。
・YouTubeタイアップ動画事例(Simeji)
「Simeji」というキーボードアプリのタイアップ動画になります。
「Simeji」がどのようなアプリなのかを伝えることを目的に制作された動画のようです。動画内では使い方を説明した後、「Simeji」を利用してマネージャーにドッキリを仕掛けるという企画になっています。
このタイアップ案件がTikTokになるとどうでしょうか。
・TikTokタイアップ動画事例(Simeji)
こちらでは「Simeji」の使い方については触れておらず、「Simeji超変顔バトル」という企画を行った動画で、リズムに合わせて顔文字に沿って変顔をしています。
「Simeji」というキーボードアプリを企画を通して拡散することで、TikTokユーザーの認知度をあげるという目的があったと想定できます。
このように同一のインフルエンサーをタイアップで起用する際でも、プロモーションの目的に応じて、プラットフォーム、そしてそこにのせるコンテンツを分けて実施していることが分かります。
▼再生数第二位:ねお
TikTokフォロワー数:約149万
YouTubeチャンネル登録者数:約62万
平均再生数:約26万
※2019年7月12日時点
こちらのクリエイターは「TikTok」の前身「Musical.ly」から動画を投稿している他、「MixChannel」でも人気でした。昨年度よりPopteen専属モデルにもなり、その活動の幅を広げています。
YouTubeチャンネルとしては「メイク」「ファッション」「商品紹介」「踊ってみた」など、特定のジャンルに絞らず、若年層向けのコンテンツが多くなっています。
「TikTok」の成長と共にファンが増えていったようです。
・メイク動画
ねおさんもすでにタイアップ案件を実施しており、コスメ・ファッションを始め、外食チェーンやアプリなど、幅広くタイアップを行っています。
こちらも「YouTube」「TikTok」の両方で行っていたタイアップの事例があったのでご紹介します。
・YouTubeタイアップ動画事例(Y!mobile)
Y!mobileのwebドラマ「恋のはじまりは放課後のチャイムから」に出演した感想と告知の動画になっています。
この動画を通してTwitterアカウントのフォローを促したり、同ドラマのイベント告知をしたりしていることから、ドラマの告知を目的に動画が作られているようです。
一方、「TikTok」のタイアップ動画がこちらです。
・TikTokタイアップ動画事例(Y!mobile)
Y!mobileのCM出演権が当たるハッシュタグ企画です。
「有名人になれる」というテーマに対して、彼女のように実際にTikTokで人気になった親近感のあるクリエイターを起用することで、視聴者の企画参加を促す狙いがありそうです。
▼再生数第三位:48-フォーエイト
TikTokフォロワー数:約112万 ※こたつさん
YouTubeチャンネル登録者数:約10万
平均再生数:20万
※2019年7月25日時点
「全力〇〇始めるよ」というフレーズの音楽で有名な「TikToker」です。多くの「TikToker」と仲が良いようで、TikTok上にはコラボ動画が多数あがっています。
YouTubeチャンネルは個人でチャンネルを持っている訳ではなく、複数のTikTokerと結成したユニット「48-フォーエイト」として運営しています。
「こたつ《全力〇〇の人》」さんはそのグループのリーダーのような立ち位置で活動をしています。
・48ーフォーエイト_人気の動画
6/23に開設されたばかりのチャンネルのため提供実績はありませんが、登録者数と再生数共に急上昇しています。
・「48-フォーエイト」のチャンネル登録者数の推移
この流れから、今後は彼らのように他プラットフォームのインフルエンサーがグループを組んでYouTubeに参入する流れが増えるかもしれません。
■まとめ
今回はTikToke発のYouTuberチャンネルを調査しました。
YouTubeファーストではなく、急成長しているプラットフォーム(今回のケースはTikTok)にいち早くコンテンツを提供することで知名度・人気を獲得し、一定のファン層を掴んでからYouTubeに参入して、YouTubeでも人気になっていくという成長モデルが見られました。
すでにYouTuberはかなりの数が存在するので、先に新興プラットフォームで人気を獲得してから別プラットフォームに展開、というケースは今後も増えてきそうです。
また、タイアップ案件という視点で見ると、事例でご紹介した「Simeji」や「Y!mobile」のように、同じクリエイターでもプラットフォーム毎でプロモーションの目的や企画を変えた方が良いということは言えそうです。
やはりプラットフォームによって、ユーザーのコンテンツの視聴態度が異なるため、プラットフォームのコンテンツ文脈と、クリエイターのそのプラットフォーム上の通常のコンテンツを鑑みた上で、プロモーション設計をする必要があるのではないかと考えられます。
新興プラットフォームが登場する度に、新しいクリエイターと新しいプロモーション手法が生まれるので、これからも常に新興プラットフォームはチェックしていこうと思います!