皆さん、こんにちは!BUZZCAST三ツ橋です
今回は「World of Tanks」や「World of Warships」、「World of Warplanes」等、1900〜1950年の戦争時代をリアルに再現したアクションゲームを世界に展開しているWargaming Japan株式会社に伺いました。
■Wargaming Japan社について
―――本日はよろしくお願い致します!
よろしくお願い致します!
―――まず初めに自己紹介をお願い致します!
「World of Warships」 PC版のマーケティングを担当しているEric Inge Kotaro(以下 エリックさん)と申します。日本とアメリカのハーフです。元々、某大手電機メーカーに勤めており、アジア全体のサプライチェーンマネジメントを担当していました。
ただ、学生時代からずっとゲームが好きだったので、そのパッションを忘れられず、数年前ゲーム業界へ転身しました。e-Sports系のゲーム会社やゲームメディアで数社勤めたのちにWargaming Japan株式会社に入社いたしました。
―――Wargaming社について教えてください。
Wargamingはキプロスに本社を置いている、グローバルのデベロッパー、及びパブリッシャーです。
1900~1950年を舞台にしたリアルアクションゲーム、「World of Tanks」、「World of Warplanes」、「World of Warships」のゲームをPC、コンソール、スマホでリリースしており、全世界に展開しております。
戦艦ヤマト等多くの有名な日本の戦艦がフィーチャリングされる等、日本ユーザー様向けにもローカライズされており、大変嬉しい事に高い評価をいただいております。
World of TanksやWorld of Warshipsに続いて、これから続々とタイトルが出てくる予定なので是非期待してください!
■グローバルプロモーションで注目しているエリア
―――エリックさんのミッションを教えてください!
「World of Warships」 PC版の新規獲得数を増やすのが私のミッションとなっておりまして、担当エリアは中華圏、東南アジア、韓国、オセアニア等、アジア全体を見ています。
その中でも特に力をいれているのは日本の市場になります。
―――各国のマーケットの特徴を教えていただけますでしょうか。
アジア諸国のマーケットは似ていると思われがちですが、結構違いますね。
マレーシア、インドネシア等ではPCカフェでゲームをプレイする文化が根付いているので、PCゲームでもインストールまでのハードルが日本と比べて比較的低いです。また、東南アジア諸国はまだ市場規模的にも伸びると感じているので、ブルーオーシャンかなと感じています。他国のパブリッシャー様もまだ入り込めていないので、費用対効果を見ながら東南アジアの地域へもっと施策を実施していこうと考えています。
逆に日本では人口に対してPCゲーマーは少ないのですが、ARPU、課金率に関しては他諸国と比べて高いと感じています。おみくじや星座占い等、ランダム性のあるエンターテインメントが好まれる傾向があるので、マネタイズがしやすい「ガチャ」という文化が受け入れられていることが大きい要因かと思います。
また、ゲームに対してユーザーの熱が高く、e-Sports文化が盛んな中華圏、韓国のマーケットも注目しています。
―――すごい興味深いです。ちなみに新規獲得においてエリックさんはどのような施策を実施しているかお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
オンライン・オフライン施策の2軸でどのようなプロモーションを実施すべきか優先順位をつけて考えています。
オフライン施策だと去年TGSにブースを出展したり、横須賀でスタンプラリーのイベントを行う等コミュニティマーケティング施策を積極的に実施しています。
オンライン施策だとアジア諸国にローカライズしたバナーでGDNやYDNを回したり、メディアバイイングをしています。その中でもインフルエンサー施策は欠かせない物となっており、頻繁にBUZZCASTさんにご相談させていただいてます笑。
■インフルエンサー施策の魅力とは
―――なぜインフルエンサー施策に注目しているのですか?
インフルエンサー施策だと、オーディエンスデータ、デバイス閲覧率というようなユーザーデータだけでなく、実況者が普段投稿しているゲームジャンルなどの定性的な情報から、自分が担当しているゲームとの親和性を想定できるので、より高い精度でターゲットしやすいというのと、動画というコンテンツによってゲームの魅力を訴求しやすい、視聴者への影響力が強いというのが魅力に感じています。また、インフルエンサーの中でもランクがあるので予算に応じて施策を実施しやすいというのが一つのメリットですね。
ゲーム実況施策は日本だけでなく世界でもトレンドとなってきているので、プロモーションを実施する上で外せない施策になってきていると私は感じています。
―――その他インフルエンサー施策でいい点等あれば教えていただきたいです。
弊社のゲームは今流行りのハイスピードでゲームが展開されるFPSゲームと違って、第一次、第二次世界大戦の世界観をリアルに再現していることもあり、PVなどを使った動画配信のみだと正直地味な部分があります。
その点、ゲーム実況者は編集力、表現力、発言力があるのでゲームの良さを引き出すという部分は確実にあるなとおもっています。
ただのPV動画配信より、オピニオンをもっている人がゲームをプレイしながら魅力を発信する事に価値を感じています。
―――YouTuberを選ぶ判断基準などあれば教えてください。
「費用対効果」が合うというのは大前提であるのですが、ゲームのターゲットにあった視聴者年齢層、デバイス視聴割合等の数値は必ず見ています。
また、LIVE配信はアーカイブに残った時の再生数が通常動画より良く見えてしまうケースがあるので、LIVEでプロモーションを実施する場合は、過去の見た目上の再生数だけでなく、同時接続数も確認させていただいております。
また、ミリタリーのコンテンツ要素があり、コンプラ的に問題になりやすい部分もある為、いちプロフェッショナルとしてお仕事を依頼できる方かどうか、丁寧に楽しくゲーム実況できる方かどうか、一人ひとり過去の提供動画を見て定性的に判断する部分もあります。
―――プロモーション時に見ている指標等あれば教えてください。
やはり「獲得ボリューム」、及び「費用対獲得」の部分を見ています。
「World of Warships」 PC版は、一度遊んでいただければ楽しいと言ってくれるユーザー様が結構多いのですが、すぐストアページに遷移してダウンロード出来るスマホゲームと違ってゲーム開始までのハードルが高いので、ユーザーの一定のコミットメントがない限り、インストールに繋がらないケースが多いのが課題でした。
色々検討した中で、エンゲージメントの高い「VTuber」を起用して、視聴者と同じタイミングで一緒にプレーする「LIVE配信」という施策をご提案いただき、実施してみました。
その結果、LIVE配信する事により好きな実況者と一緒にプレイできるという強いインセンティブが働き、視聴者の熱量が上がり、インストールのハードルを乗り越えてくれるという効果がでました。
また、「World of Warships」には対人プレイ要素もあるので、リアクションも取りやすくLIVEの醍醐味でもあるパーティー感がでて、重厚な世界観のゲームでも自然に楽しく見えたことが良かったなと感じています。
・本間ひまわりさん X 視聴者参加型生配信企画
■今後の方針について
―――これまでの施策を振り返っていかがでしたか。
求めていたユーザー層がゲーム内に入っていただいて定着しているという事が本当に良かった点だと思っております。新規獲得ボリュームもよかったのですが、「費用対効果」もよく、ROAS目標に対して数千パーセントを達成する事もありました。
インフルエンサー施策に対してまだ懐疑的な考えを持っている国内外の会社様も多いと思いますが、今後も積極的にやるべきではないかと私は考えています。
ただ、誰をどのようにキャスティングすればいいかわからないという事が多くあると思うので、そういう意味ではちゃんと専門家に相談すると解決してもらえると思っています(笑)。
次回実施する際、改善すべき点があるとしたら、ケースバイケースではあるものの、LIVE配信を公式アカウントなどから告知せず、限定的に告知する必要があるなと感じました。大々的に告知してしまうと「World of Warships」のザ・コアユーザーたちが一気に入ってきてしまい、動画の企画が成り立たなくなる可能性があるので、もっと初心者様にむけてプレイしやすい環境を整えるのも大切だなと感じています。
―――一緒に取り組む代理店に期待していることなどあれば教えていただけますでしょうか。
私のように一人でアジア圏の全プロモーションを見なければいけない者からすると、営業の方が国内外のプロモーション問わずシームレスに丁寧に対応してくれると非常に助かります。
また、「BUZZCAST CLIENTS」等のYouTuber施策分析ツールを通して、細かい分析や振り返りをしていただける事も社内でナレッジがたまっていくという点でメリットとして感じています。
―――さりげなく宣伝ありがとうございます笑!励みになります!最後にこれからチャレンジしていきたい事等あれば教えてください。
アジア全体で「World of Warships」の認知を上げ、獲得数を更に伸ばしていきたいと思っています。
直近だと台湾・香港圏での獲得にも積極的にチャレンジをしていく予定なので、是非クリエイターの開拓をお願いします!笑
―――もちろんです!本日はありがとうございました!