皆さん、こんにちは。BUZZCAST三ツ橋です。
YouTuber施策が広告手法としてメジャーな手段となりつつありますが、どのような目的・考えでどのような実況者をキャスティングすべきかわからないとクライアント様から多数問い合わせいただきます。
弊社独自のノウハウなので、必ずしも正解なのかは分かりませんが、市場をより活性化したいという想いのもと、普段私たちがどのようにクライアント様の意思決定の支援をさせて頂いているのか、簡単にまとめさせていただきました。
■「チャンネル登録者数」による意思決定の落とし穴
時折クライアント様から「再生数を最大化したいので、チャンネル登録者数が多い実況者をキャスティングしたい」という依頼をいただきますが、登録者数のみで判断すると、効果を最大化できず、施策が不発に終わるケースが多いと考えています。
ご参考までに某事務所の実況者を登録者数順で記載しました。(数字は多少加工しています)
ご覧いただければわかる通り、84万登録ある「ゲーム実況者A」より、74万登録しかない「ゲーム実況者E」や、55万登録しかない「ゲーム実況者 I」の方が再生数が伸びる傾向があり、再生単価も安く着地する想定となっています。
チャンネルの規模を、分かりやすく登録者数で考えてしまうケースが多いですが、実はチャンネル登録者数と実際の再生数は相関しないことが多いんです。
一度チャンネル登録するとなかなか解除はしないため、「チャンネル登録者数」という指標だけですと、古くからYouTube活動をしている人の方が有利に働くことが多く、直近の「アクティブ具合」を測るためには、別の指標を参考にすべきだと弊社は考えています。
▼通常動画の再生数ではなく、提供動画の再生数で判断
現状の実況者のパワーを測るには直近の提供動画の再生数をもって判断する事をお勧めしています。
サンプルとして下記実況者2名の情報を基に説明していきます。
両者ともに登録者数は40万なのですが、通常動画及び提供動画の再生数で大きく乖離がでています。
実況者Aの通常動画平均再生数が4.3万程になるのですが、提供動画になると平均で4,000再生しかでておりません。
ここで誤って通常動画の平均再生数で想定再生数を見積もってしまうと、結果とかなり差異がでてしまい、想定と離れた結果が出てしまいます。
また、このような再生数のブレが大きい実況者は、視聴者がファン化しておらず、実況者のプレイするゲームコンテンツに依存してしまっているケースが多いです。
一方で実況者Bに関しては通常動画でも平均26万再生でているのですが、提供動画再生数でも24万再生と安定して数字が出せています。
このような実況者に関しては視聴者がゲームコンテンツに依存しておらず、ファン化していると考えられる為、施策も好結果で着地するケースが多いです。
▼再生数に対して価格が適正か
YouTuberの価格は水物といわれており、毎月価格が上昇するケースも多々ある為、その都度費用対再生が合う実況者を探していく必要があります(先月プロモーションを実施した時の効果は良かったが、翌月価格が2倍近く上がってしまった為、費用対効果が悪くなってしまったケースもよく耳にします)。
劇的にDL率が高い実況者がいれば話は別ですが、そのような実況者はなかなかいないので、CPVが低くゲームと相性が良さそうな実況者を探していくことが一つのミッションであると考えています。
■目的別のYouTuberキャスティング方法
▼ゲームユーザーへのリーチ、獲得を求める場合
獲得を目的とする場合、ADNWのようにプロモーションするゲームと相性のいい視聴者にリーチする事が大前提としてあります。どのようなゲーム実況者と相性がいいのか、弊社では下記2点の考えを基に実況者を選択・提案しています
①実況者がプレイするゲームジャンル、好きなIPコンテンツを過去動画から考察
定性的な判断にはなりますが、一人一人、過去投稿動画を遡り、どのようなコンテンツが好きで、どのような動画を投稿しているか確認する必要があります。
実況者自身が普段投稿しているコンテンツと提供サービスが類似していると、ゲームのターゲットユーザーがチャンネル内に潜在している可能性が高く、かつ実況者自身が好きなコンテンツだと実況者の熱量も上がり、相乗的に効果もよくなるケースが多いです。
※「とある魔術」ファンを公言していた為、アンバサダーとしてオタク系YouTuberのくんひろを起用
②過去類似ゲームで効果の良かった実況者のキャスティング
類似タイトルで効果の良かった実況者をキャスティングすべき理由は、ターゲットユーザーがそのチャンネルに潜在する可能性が高いからです。
弊社では「BUZZCAST CLIENTS」という分析ツールを介して、実況者別の獲得周りの過去実績(CTR、DL数、CVR、CPI等)、が解析できるので、どのようなタイトルでどのような実況者を起用したら効果がよくなりそうか施策前にわかっています。
定性的な判断だけでなく、過去の実績などを元に、定量的な判断はできるかで、YouTuber施策の成否が分かれます。
※過去事例:コスプレイヤーより、ゲーム実況者の方が効果が良くなることがわかった
▼認知拡大、拡散を求める場合
ゲームと相性のいい実況者を起用するのが大前提でありますが、それのみだと再生ボリュームが足らず、認知拡大につながらないケースが多いです。マスにリーチするには一定量のボリュームが必要になるので、その場合は大型エンタメ系実況者の起用をお勧めしています。
KOF x 大型ゲーム実況者を事前登録期に起用(動画再生数:500万)
※エンタメ実況者を起用するにあたっての注意点
再生量も多く、有名であるが故に拡散力は比較的高くなるのですが、下記のような注意点は意識した方が良いと考えています。
- 普段からゲーム実況をしていない為、掲載可否が厳しい。
- 可否が通ったとしてもゲーム画面を見せながらプレイする事は基本NGとなり、告知のみとなる為(ゲームプレイできたとしても0.5~1分程度)、ゲーム理解を促す事はできない。
- CPVは一般的に低くなる傾向があるが、ゲーマー層がチャンネルに存在しない為、CTR・CVRが必然的に低くなり、CPIで見るとゲーム実況者よりは高く着地する事がある。
■BUZZCASTが実現できること
キャスティングの部分で大部分の動画施策の効果が決まる為、弊社では過去実績等のデータを基に下記のようにポートフォリオを組み、各社タイトルに適したYouTuberを慎重に提案させていただいております。
※美少女系RPGのカテゴリマッピング(マイクラ、及びエンタメ系実況者の効果が良かった)
また、実況者の動画効果を最大限にする為、実況者の過去提供動画を分析し、どのようなサムネイル、どのようなタイトルであれば再生数を最大化させるかディレクションする必要があります。
※タイトル・サムネイルのディレクションにより、再生数を意図的に伸ばせた事例
上記イメージが実例になるのですが、某実況者を起用する際、過去動画を分析しましたところ、感情が出ているサムネイルの動画再生数が通常より伸びていた為、怒りを全面に押したサムネイルにした結果、再生数が平均値より4倍以上になり、CPVも安く着地しました。
再生数が10万でも1万でも実況者の価格は同じなので、よりよい効果が出るよう弊社では動画サムネイル・タイトルのディレクションから動画構成分析まで細かい対応をさせていただいております。
■サマリー
弊社の考えるYouTuberプロモーションの成功のノウハウをまとめると、下記のような形になるかなと考えています。
①チャンネル登録者数でキャスティングする実況者を判断せず、過去提供動画の実績、及び費用対効果で判断すべき
②獲得目的でYouTuber施策を実施する場合、ターゲット層にリーチさせる為、類似タイトルでの過去実績を定量的に分析し、YouTuberの視聴者属性を過去の投稿動画から定性的に判断する必要あり
③認知拡大目的でYouTuber施策を実施する場合、大型エンタメ系実況者を起用する事を推奨。ただし、企画やサムネイル画像、動画タイトルは過去の実績から定量的に分析し、ディレクションすべき
いかがでしたでしょうか。
YouTuberプロモーションのノウハウに関して、弊社としてもさらに精度を高めていきたいので、引き続き様々な事例を研究していきたいと考えています。